福岡市南区の司法書士が解説

相続における債務調査の完全ガイド|信用情報機関への開示請求で確実に把握

相続が発生した際、被相続人にどのような債務があるかを正確に把握することは非常に重要です。福岡市南区の当司法書士事務所では、信用情報機関への開示請求を中心に、実務で使える債務調査の手順と注意点をわかりやすくご案内します。

はじめに

相続債務の調査は、相続方法(単純承認・限定承認・相続放棄)を見極めるうえでの出発点です。見落としを防ぐため、信用情報機関(CIC/JICC/KSC)への情報開示と、現物・書面の確認を組み合わせて進めることが肝要です。

信用情報機関への開示請求(確実な債務調査の中核)

下記の3機関すべてへ開示請求することで、クレジット・消費者金融・銀行系ローンなど幅広い債務の有無を確認できます。

CIC(シー・アイ・シー)

  • 管理情報:クレジットカード/消費者金融/信販
  • 公式サイト:https://www.cic.co.jp/
  • 電話:0570-666-414(全国共通)
  • 開示手数料:インターネット 500円/郵送 1,500円
  • 受付時間:インターネット 8:00〜21:45(毎日)

JICC(日本信用情報機構)

  • 管理情報:消費者金融/信販/一部銀行
  • 公式サイト:https://www.jicc.co.jp/
  • 開示手数料:1,000円
  • 開示方法:スマホアプリ/郵送

KSC(全国銀行個人信用情報センター)

  • 管理情報:銀行/信用金庫/信用組合/農協 等
  • 公式サイト:https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/
  • 電話:0120-540-558(フリーダイヤル)/03-3214-5020
  • 受付:月〜金(12/31〜1/3除く)9:00–12:00/13:00–17:00
  • 所在地:〒100-8216 東京都千代田区丸の内1-3-1
  • 開示手数料:インターネット 1,000円/郵送 1,124〜1,200円

開示請求の手続き(相続人としての申請)

  1. 必要書類の準備:相続人であることを証明する戸籍謄本等を用意。
  2. 各機関の指定方法で申請:インターネット/アプリ/郵送など。
  3. 結果の受領:インターネットは即日〜数日、郵送は1週間〜10日程度。

※ 3機関へ並行申請すると全体の調査期間を短縮できます。

その他の重要な調査項目

自宅・保管書類の確認(見落とし防止の基本)

  • クレジットカードの明細書/借入契約書
  • 催告書・督促状などの滞納通知
  • 借用書やローン返済表
  • 通帳の引き落とし履歴

信用情報機関に載らない個人間借入などもあり得ます。郵便物・契約書・メール履歴などを総合的に確認しましょう。

不動産登記簿の確認(抵当権の有無)

不動産を所有していた場合は、登記簿謄本の権利部(乙区)を確認。抵当権が設定されていれば、住宅ローン等の債務が存在する可能性が高いといえます。

調査時の重要な注意点

相続放棄を検討中は支払い厳禁: 1円でも支払うと単純承認と評価されるおそれがあります。
期限の厳守: 相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に家庭裁判所へ申立てが必要です。
団体信用生命保険の確認: 住宅ローンは団信加入により死亡時に完済となる場合があります。高額債務が見つかっても、まずは加入有無を確認しましょう。

専門家へのご相談・アクセス

相続財産が複雑な場合や、放棄期限が迫っている場合は専門家のサポートをご活用ください。
ご不明点は、福岡市南区の当司法書士事務所までお気軽にご相談ください。

所在地・アクセス

西鉄大橋駅から徒歩10秒
お車の方:隣接ビル大橋ヒルズ3〜5階が駐車場です。

よくある質問

3機関すべてに開示請求すべきですか?
金融機関ごとに照会先が分かれるため、CIC・JICC・KSCの3機関へ申請するのが安全です。
相続放棄の期限に間に合わない場合は?
事情により期限延長(熟慮期間伸長)の申立てが検討できます。お早めにご相談ください。
団体信用生命保険があるかはどこで確認しますか?
金融機関の契約書・約款、残高証明書、保険証書、金融機関への照会で確認します。