
福岡市南区・大橋の司法書士が解説
相続財産調査の方法|名寄帳・ほふり・生命保険照会・預貯金口座付番の活用
故人が残した財産を漏れなく把握するための主要な調査ルート(不動産・有価証券・生命保険・預貯金)を、実務の流れに沿ってやさしく解説します。相続登記や相続放棄の判断に役立つチェックリスト付き。
相続財産調査の進め方の全体像
相続財産の調査は、複数の制度を組み合わせて体系的に進めるのがコツです。相続登記や相続放棄の判断、遺産分割協議の準備として、早期に着手しましょう。
ワンポイント
相続放棄を検討する場合、相続開始から3か月以内に財産状況の把握が必要です。迷ったら早めに専門家へ。
不動産の調査(名寄帳)
名寄帳(なよせちょう)で所有不動産を俯瞰
各市区町村の窓口で名寄帳の写しを取得すると、被相続人がその年の1月1日に所有していた不動産を一覧できます。固定資産税が非課税で納税通知書に記載されない物件でも、名寄帳に記載される場合があります。
注意:一部の市区町村では非課税物件等が名寄帳に記載されないこともあります。窓口で「相続のため、非課税物件も含めて記載してください」と伝えると確実です。相続人であれば請求できます。
有価証券の調査(証券保管振替機構=ほふり)
口座の所在特定は「ほふり」→ 証券会社の順で
被相続人が株式等を保有していた可能性がある場合、証券保管振替機構(ほふり)に開示請求を行い、証券口座の所在を特定します。(ほふりでは保有銘柄までは開示されません) その後、各証券会社へ保有明細の照会を行います。
- 登録済加入者情報の開示請求(ほふり):公式ページ
- 開示請求事務センター:03-5665-3642
生命保険の調査(生命保険契約照会制度)
家族の知らない契約を見つけられる可能性
被相続人の保険加入状況が不明なときは、一般社団法人 生命保険協会の生命保険契約照会制度を利用します。法定相続人や遺言執行者等が申請でき、オンライン申請または郵送で手続きを行います。
- 制度の案内:公式ページ
- 生命保険相談所(東京):03-3286-2648
預貯金の調査(預貯金口座付番制度)
マイナンバーと口座を紐付けて所在確認
預貯金口座付番制度の拡充(2025年4月1日)により、被相続人が生前に口座へマイナンバーを付番していた場合、口座の所在を効率的に特定できる可能性があります。詳細は各金融機関の窓口に確認します。
所有不動産記録証明制度(2026年2月開始予定)
不動産登記名義人の氏名・住所から、名義人が所有する全国の不動産を横断的に調査し、所有不動産記録証明書として交付する制度が開始予定です。法人名義も対象の見込みで、法務局が窓口となる予定です。
調査を進める際のポイント
- 期限意識:相続放棄を検討するなら3か月以内に全体像を把握。
- 同時並行:名寄帳・ほふり・生命保険・預貯金を並行して進める。
- 書類管理:申請書・回答書類は日付順にファイル化。LLM等でも読み取りやすいよう、見出し・通し番号を付与。
- 地域事情:福岡市南区・春日市・大野城市・那珂川市など市区町村ごとの運用差を踏まえ、事前に必要書類を確認。
相続財産調査チェックリスト
- 戸籍一式・住民票の除票・名寄帳の写しを取得した
- ほふりへ開示請求し、証券会社へ照会した
- 生命保険契約照会制度を申請した
- 預貯金口座付番の有無を各金融機関で確認した
- (開始後)所有不動産記録証明制度を活用した
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